第68弾!「事業仕分け」の政府部内での位置づけについて
2010年11月19日 国会活動 | 活動報告 tag: 質問主意書、事業仕分け
一.行政刷新会議には、その「事業仕分け」の結果について、各府省に実現を求める権限があるのか。
二.行政刷新会議による「事業仕分け」の結果について、過去、第二次臨時行政調査会の報告や地方分権推進委員会の勧告がそうであったように、内閣として「最大限尊重する」との閣議決定をなぜ行わないのか。
三.行政刷新会議による「事業仕分け」の結果について、各府省への実現を求める法的権限も、閣議決定による「尊重義務」もない中で、内閣として、「事業仕分け」の結果の実現を、どう担保していくのか。
四.行政刷新会議が、十一月九日に発表した資料によると、「事業仕分け」第一弾、第二弾で仕分けた事業等に対し結果の反映が不十分として、関係府省・部局に対し適切な対応を求めるとされた事業が九六事業、骨抜きにされ再仕分けが必要とされた事業が一一二事業、あることが判明した。これは、行政刷新会議による「事業仕分け」が、何ら実現を担保されていない口先だけのパフォーマンスであることを証明していると考えるが、内閣の見解如何。
五.四.の九六事業については、関係府省・部局に対し、指摘を踏まえた適切な対応を求めるとのことだが、これで九六事業すべて仕分け結果は実現すると理解してよいか。
六.四.の一一二事業について再仕分けするとのことだが、この再仕分けの結果は、今度こそ、すべて実現すると理解してよいか。また、それを内閣としてどう担保するのか。
七.今国会に提出された補正予算で、八千億円程度の公共事業を積み増しているが、一方で、事業仕分け第三弾(前半)では、道路や港湾等の五事業で一〇~二〇%減、約五千億円削減するとしている。同じ政府部内で支離滅裂な真逆の方向が出ているが、
1.内閣として、この事態をどう整合的に説明するのか。
2.この公共事業減の仕分け結果を、内閣としてこの年末の予算編成で実現すると理解してよいか。
右質問する。
答弁書
内閣衆質176第150号
平成22年11月19日
内閣総理大臣 菅 直人
衆議院議長 横路 孝弘 殿
衆議院議員江田憲司君提出「事業仕分け」 の政府部内における位置づけ等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員江田憲司君提出「事業仕分け」の政府部内における位置づけ等に関する質問に対する答弁書
一から三までについて
行政刷新会議は、国の予算、制度その他国の行政全般の在り方の刷新等に閲し行政各部の施策の統一を図るために必要となる企画及び立案並びに総合調整に資するために開催しているものであり、行政刷新会議が取りまとめを行った場合には、政府としての施策は、政府内の調整を経て決定されるものと認識している。
行政刷新会議において昨年十一月に実施した事業仕分け(以下「事業仕分け第一弾」という。)の評価結果については、「予算編成の基本方針」(平成二十一年十二月十五日閣議決定)において、「評価結果を踏まえ、平成二十二年度予算編成において、内閣の責任で歳出を大胆に見直す」等とされ、これに基づき、平成二十二年度予算に反映したところである。
また、行政刷新会議において本年四月及び五月に実施した事業仕分け(以下「事業仕分け第二弾」という。)の評価結果については、まずは、平成二十三年度予算の概算要求に当たり、「平成二十三年度予算の概算要求組替え基準について」 (平成二十二年七月二十七日閣議決定)において、各大臣は、「事業仕分け、行政事業レビュー等の結果の適切な反映」を実施することとされ、これに基づき、各府省において平成二十三年度予算の概算要求に反映したところである。
四について
御指摘の「九六事業」及び「一一二事業」は、行政刷新会議において、事業仕分け第一弾、事業仕分け第二弾又は各府省が実施した行政事業レビュー(以下「事業仕分け等」という。)の評価結果等の平成二十三年度予算の概算要求等への反映が不十分であると指摘された事業であるが、事業仕分け等で取り上げた事業の大部分については、その評価結果等が平成二十三年度予算の概算要求等に的確に反映されていると考えている。
五について
御指摘の「九六事業」については、平成二十三年度予算編成過程において、広く国民に対する説明責任を果たしつつ、行政刷新会議の指摘を踏まえ、適切な対応がなされるものと認識している。
六について
御指摘の「一一二事業」に係る事業仕分けの評価結果に関する具体的な対応については、行政刷新会議における審議や政府内の調整を経て決定されるものと認識している。
七の(1)について
行政刷新会議において本年十月に実施した事業仕分け(以下「事業仕分け第三弾前半」という。)は、特別会計で行われている事業等について、事業の効率性等の観点から検証を行ったものである。
一方、今国会に提出した第一次補正予算は、「円高・デフレ対応のための緊急総合経済対策」 (平成二十二年十月八日閣議決定)に基づき、「新成長戦略」 (平成二十二年六月十八日閣議決定)の実現や地域経済の活性化等に必要な経費を計上したものであり、必要な社会資本整備等については、事業の効率性等 を確保しつつ、戦略的に進めていくこととしている。このような点から、両者は矛盾するものではないと考えている。
七の(2)について
公共事業を含め、特別会計で行われている事業については、事業仕分け第三弾前半の評価結果も踏まえて歳出の見直しを行い、平成二十三年度予算編成の過程において、内閣が一体となって必要な結論を得ることとなるものと考えている。
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